医療法人 湘悠会 むらかみ眼科クリニック
 
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むらかみ眼科クリニック

眼のアンチェイジング(抗加齢)対策

 

<眼を守るための良い生活習慣とアイテム>

〜保護用機能カラーレンズの活用法〜

 現代社会の中で、約90%以上の情報が眼から入ると言われ、視力が非常に大切となっているだけでなく、思考や表情にとっても、眼はとても大切なもの。しかし、皮膚が衣服などで保護できるものとは違い、眼は直接外界に露出しているため、環境の悪化と共に有害な紫外線や青紫色光から大切な眼を守ることがとても重要になってきています。

● 酷使され損なわれやすい現代の私たちの眼

眼の老化は、第一に「光刺激」による眼内の酸化(錆びつき)による「光老化」が主な原因とされています。すなわち、私たち現代人の眼は、さまざまな「酸化ストレス」にさらされているのです。特に、オゾン層の破壊など環境汚染により、強い紫外線や青紫色光などの有害な光線を浴びることが多い上に、パソコンやテレビ・携帯電話などで長時間に渡って目を酷使する現代人にとって、眼の酸化ストレスの予防対策は非常に重要です。

さらに、このような有害光による光刺激に加えて、喫煙・ストレス・過食や高脂肪・高塩分食・過度の飲酒などにより「活性酸素」(体を錆びさせる悪玉の物質)が眼内にも著しく増加し、白内障や加齢黄斑変性(見たいところが見えづらくなる病気)、糖尿病性網膜症などの眼の成人病が近年激増し、多くの方々が視覚障害に悩まされているのです。

このように眼の成人病は、「光刺激による老化」と「眼内の血管の老化」によるものが主な原因で、その予防対策が必須です。特に、この「光刺激」による老化は、無防備な状態にある眼を直接障害するため、長期に渡って眼を保護する対策を怠ってしまうと、このような眼疾患を発生しやすくしてしまうのです。

それでは、眼の老化を促す有害光について簡単に説明します。光は波長によって色が違って見えます。この人間に見える光よりも波長が短い光が紫外線(UV)です。紫外線は、その波長により、さらにUVAUVBUVCに分けられます。また、可視光線の中でも短波長で高エネルギーの紫から青色の光が有害光とされ、これらの波長の光線を吸収させるアイテムを使って眼を保護することが大事なのです。

特に、フロンガスの増加によるオゾン層の破壊のため、今まで届かなかったより有害な紫外線であるUVCも地上にまで届くようになっています。UVBは角膜(黒目)へ吸収されますが、スキーや海水浴などで経験されるように浴びる量が多ければ角膜炎や、長期的には翼状片などの眼病の原因となります。そして、さらに有害なUVAは角膜(黒目)を通り抜けてしまい、ほとんどが水晶体に吸収されます。このときUVAは水晶体に含まれる透明なタンパク質を傷つけ、その傷が徐々に蓄積して水晶体の濁りの原因となる白内障を引き起こすのです。白内障においては、その原因の約30%以上もが紫外線によるものとされています。

その根拠として、特に地球上においても、温帯地域よりも紫外線の著しく多い熱帯地域やまた、空気が薄くて紫外線の強いネパールやチベットなどの高地に白内障の有病率と失明率が共に著しく高いことが判明しているからです。さらに有害な青紫色の光は、そのエネルギーにより水晶体をも通過して、視力にとって最も大切な網膜(カメラのフィルムに相当する部分)の中心部にある黄斑を障害し、加齢黄斑変性症の原因となることも判明しています。同時にパソコンやテレビ・携帯電話などの青色光も眼にとっては有害となるため、長時間のOA作業時には眼の保護が必要です。

● 保護用機能カラーレンズで有害光から眼を守る

このような有害光から眼を守る対策として、外出時には太陽光線を防ぐため、紫外線だけでなく青紫色光もカットする薄い黄色の保護用機能カラーレンズを入れた眼鏡を装用し、同時につばの広い帽子(最近はUVカットの帽子も市販されています)や日傘も使用して日光を避けることが大切です。ただし、サングラスも、「ファッション用グラス」と品名欄に書かれたものは紫外線カット機能がついてないものが多いので要注意です。つまり、ただ黒いカラーだけがついているファッションレンズは、かえって瞳が広がり紫外線などの有害光がより多く眼の中に入って、「百害あって一利なし」なのです。しかも、UVカットのレンズでもUVBだけしかカットしない商品が大半を占めています。これでは、白内障や加齢黄斑変性症になる危険を増やしてしまうだけなのです。このためUVAUVBを共にカットし、表示が紫外線透過率0.1%以下の商品を選ぶことをお奨め致します。同時に、フレームも側方から日光が入ってサングラスの中で反射して眼の中で散乱する問題があるため、ゴーグルタイプで横も覆えるものがお奨めです。コンタクトレンズを使用なさる方は、UVカット機能のあるソフトコンタクトレンズを装用した上で、有害な青紫色光線もカットする保護用の機能サングラスを装用するとより有効です。

● 眼に良い食生活とアイテムの活用

薄い黄色の保護用機能カラーレンズは、オフィスや家庭でのパソコンなどのOA作業においても有害光を吸収し、また、光のノイズ(チラツキや反射光)を抑え、OA作業中の眼の疲れを緩和し能率を高めます。さらに、このようなOA作業の合間に坑酸化ビタミンであるビタミンCEや緑黄色野菜に含まれる「カロチノイド」を継続して摂取し、眼内の酸化ストレスを消去して、眼の成人病を予防しましょう。この「カロチノイド」の中でも特に、ニンジンやカボチャなどに多く含まれる「β―カロテン」やほうれん草やケールなどに多く含まれる「ルティン」、そして「ポリフェノール」の一種で眼精疲労を緩和する黒豆やビルベリー(北欧の野生型ブルーベリー)に多く含まれる「アントシアニン」などの坑酸化力のある色素成分を摂取することで、光刺激による眼の老化と酸化ストレスを軽減させることができます。

このように、眼を保護するために役立つ栄養とアイテムを駆使して、人生にとって最も大切な目を優しくいたわってあげてください。