“急増する目の現代病“ドライアイにご注意
涙は眼球表面の粘膜(角膜や結膜)を潤し、眼を守るバリアとして働いています。涙の量が減ったり成分が変化すると、その働きが不充分になり、目が乾燥し、傷つきます。これが「ドライアイ」です。
しかし、「目が乾く」と感じる患者さんはそれほど多くはなく、目が疲れる、目がしょぼしょぼするなどの目の不快感が主な症状です。 そして「疲れ目」を訴えて眼科を訪れる人の約6割はドライアイが関与し、全国で1500万人以上もの患者が潜在しているとの調査報告もあります。
ドライアイの原因と対策
● 空気の乾燥・・・空気が乾燥していると、目の表面から涙液が蒸発しやすくなり、ドライアイの症状がより強くなります。風が直接当たらないようにエアコンの風向きに注意し、加湿も心掛けましょう。
● 瞬きが少ない・・・読書やパソコン作業時などなにかに集中していると、瞬きの回数が減ります。すると、涙液の蒸発が進み、ドライアイ症状が、より顕著になります。特に、コンタクトレンズをしている方は要注意です。瞬きの回数を増やすとともに、しっかり瞬きする(完全に目を閉じる)ようにしましょう。目を酷使する作業では、間に休憩を挟みましょう。
● 結膜炎など・・・近年患者数が急増しているアレルギー性結膜炎などでも、ドライアイを併発します。また、目以外にも、口や鼻などの粘膜も乾燥し関節痛などを伴う「シェーグレン症候群」という重症のドライアイもあり、継続した眼科医の診療が必要です。
ドライアイを治療し快適な“視生活”を!
● 点眼薬で目を潤す・・・人口涙液や保水効果のある目薬を点眼して直接、眼の表面を潤すことが、ドライアイの最も基本的な治療法です。但し、防腐剤入りの市販の点眼薬は、できるだけ避け、眼科医に良い点眼薬を選んでもらいましょう。
● 涙点プラグを挿入して、目を潤す・・・涙の分泌量が少なくても、涙点(涙に排水口)に最新の小さなプラグを挿入することで、涙を眼球表面に長く留め、ドライアイが改善されます。通常の外来診療で痛みもなく、約一分程で終了し、高い効果が期待できます。
● 視力や眼鏡を再確認・・・視力が低下していたり眼鏡の度が合っていないと、目を凝らすためにさらに瞬きが減り、ドライアイが重症化します。視力と眼鏡の再チェックも行いましょう。
- パソコンやテレビは画面を見下ろす位置に・・・上を見ると自然にまぶたが大きく開き、それだけ涙の蒸発が早くなります。
尚、目の疲れや不調の原因として、ドライアイだけではなく、他に緑内障などの眼の奥の病気を合併している場合もあります。このため、放置したり、自己判断はせず、早めに眼科専門医にご相談下さい。
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